私がなぜ歯を削りたくないか
普段、診療をしている中で、最も悲しいのは、一度治した歯が再び虫歯になっているのを見つけた時・・
歯は一度治したら二度と虫歯にならないのではありません。虫歯になった場所は虫歯になりやすい原因があったから虫歯になっているわけです。削って詰めても虫歯になりやすい場所には変わりありません。というより、詰め物は自分の歯より汚れが付きやすいので、虫歯になる前よりももっと虫歯になりやすい場所になっているといえます。
釘が沢山落ちている場所で車を走らせるとタイヤがパンクします。パンクを直してまた同じ場所を走るとまたパンクしますよね。釘の掃除をしない限り、同じことが繰り返されるのと同じです。
歯の場合、もっと都合が悪いことに、一度治療したところがまた虫歯になると、最初よりももっと歯質を削ることになるので、どんどん歯が小さくなっていってしまいます。そして３度目にもなると、神経の処置をする可能性が高くなります。神経のなくなった歯は栄養のいかなくなった枯れ木のような状態。少しの衝撃でも折れやすくなってしまいます。折れてしまった歯は抜かなければいけなくなることが多くなります。こうして人は歯を失っていきます。
こういう意味で、歯は削らないのが一番です。どうかみなさん、ご自分の歯を大切にしてください。虫歯になったら治せばいい などと安易に思わず、絶対虫歯にしない と心に誓ってください。
歯医者は痛くなってから行くところ から お口の健康を守るために行くところ に変わってきています。ご自分の歯、お子様の歯を守るために歯科医院を大いに利用してください。
まだ小さなお子様をもつお父様・お母様。お子様に生涯虫歯にならない「歯」をプレゼントしませんか？ 最新の研究では、早い時期からの月１回のプロフェッショナルクリーニングが虫歯の発生を飛躍的に抑えることがわかってきました。
また、部活や勉強で忙しくしている学生の方々。学校での検診だけでは歯を守ることはできません。季節ごとに歯科医院でのクリーニングをうけてください。
歯周病なんて、まだ自分には縁がないと思われているあなた。今のお口の中の細菌が将来の歯周病を作っていきます。早い時期からのクリーニングでお口の健康と全身の健康を守ってください。
